書いた人:村田有司(英会話講師・翻訳者)
英会話初心者にどんな教材が合っているのかわからない方に、ベテラン講師がおすすめする教材です。
以下のタイプ別にピックアップしています。
- 超初心者や英語から離れて長い方に
- 基礎文法をある程度理解されて、英語を話したいと思っておられる方に
- 即答力をつけたい方に
- 話すために文法を押さえたい方に
参考記事
超初心者や英語から離れて長い方に
「みちこさん英語をやりなおす (am・is・areでつまずいたあなたへ) 」
益田ミリ (著) ミシマ社 (2014/1/30)
おすすめする理由
著者はイラストレーターで全編マンガです。
主人公は英語をやり直そうと思い立ったアラフォーのみち子さんで、家庭教師に色々質問していくストーリーです。
学生時代に英語があまり得意ではなく、どちらかと言えば苦手意識のある、英語から離れてしばらく経つ方に、本格的に英語に取り組む前の下準備にピッタリです。
「主語ってなんですか?」
「どうして Iのあとareじゃだめなの?」
「aとtheの違い、やっぱりわからない…」
など、英語の基礎の基礎をカバーしてくれています。
基礎的な文法を既に理解されておられる場合には簡単すぎますのでご注意ください。
使い方
英語のかなり基礎の部分を取り上げているだけですので、これを使って英会話の練習をするのには不向きです。
ただ、今まで「分かっているような気がする」といったことをクリアにするには良いかと思います。
「がんばれば自分も英語ができるかも」と思わせてくれたりもします。
まとめ
英語や英会話を始めたいけど、何から手を付けたらいいのか分からない場合、まずスタートラインに立つための1冊
基礎文法をある程度理解されて、英語を話したいと思っておられる方に
「たったの72パターンでこんなに話せる英会話」
味園 真紀 (著) 明日香出版社 (2005/1/31)
おすすめする理由
これだけのパターンを覚えて、その後に単語や表現を増やしていけば、日常会話のほとんどがカバーできます。
「たった72パターンって(苦笑)」とツッコミが入りそうですが、
I can~やLet's~なども含まれていますので、72パターンと言ってもそれほど覚えるのは大変ではありません。
最初のページで簡単に文法的な解説があり、2ページ目に基本パターンを使った例文、3ページ目に応用の文法的な追加説明があり、4ページ目は応用パターンの例文という構成になっています。
例えば現在進行形だと、作り方は理解していても会話の中で主語を変えたり、疑問文や否定文にするとなるとパッと出てこないということはありませんか?
この本では、基本パターンの作り方を確認した上で、色々な例文の練習ができますし、CDが付属されているので、隙間時間などの短時間の取り組みにもピッタリです。
使い方
Part1「これだけは‼ 絶対覚えたい重要パターン21」とPart2「使える! 頻出パターン51」に分かれています。
Part1は1つのユニットにつき4ページが割かれていて、
例えばユニット4の現在進行形では、
1ページ目に基本フレーズ(I'm going to Yokohama.)と基本パターンの作り方やどのような状況で使うのかが書かれています。
2ページ目は基本パターンの例文で
I'm just looking. 「見ているだけです」
など、ショッピング中に店員さんに声を掛けられてときの返答でよく使うフレーズも取り上げられています。
3ページ目は否定パターンと疑問パターンの作り方、そして4ページ目に応用パターンの例文となっています。
本書の使い方としては、まずは最初の基本フレーズと基本パターンをしっかりと押さえて、基本パターンの例文は移動中などに何回も聴き、声を出せる状況であればスムーズに言えるまでリピートをしてみましょう。
基本パターンをしっかり言えるようになれば、その次は同じように応用に取り組んでください。
応用もスッと言えるようになれば、さらにもうひとがんばりしましょう。
例えば、実際にその時点で自分自身や周りの人がしていることなどを、英語にしてみましょう。
I'm going to Osaka.
That man is reading a magazine.
That lady is using her smartphone.
など。
その時点で言えなかった表現などで覚えておいた方がいいと思われるものは、忘れる前に調べてメモなどしておきましょう。
リズム感を持って練習されるといいかと思います。
まとめ
書こうと思えばちゃんと書けるのに、書かずにいざ口頭で言うとなるとなかなか出てこないという場合にはぜひおすすめです。
即答力をつけたい方に
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」
森沢 洋介(著)ベレ出版 (2006/10/25)
おすすめする理由
「たったの72パターンでこんなに話せる英会話」と違い、文法的な説明はほとんどありません。
中学1年レベル、2年レベル、3年レベルと79ユニットに分かれています。
見開き2ページで1ユニットになっており、左のページに日本語、右ページがそれに対応する英語が書かれています。
瞬間英作文というだけあって、頭の中で英作をして、それをすぐに口から出せるような練習ができます。
使い方
レッスンでもよく使っている教材です。
まず先に別の教材で文法を確認してから、宿題として日本語のページのみを渡して、英作をしてきてもらいます。
レッスンではまず答え合わせをして、間違っている場合は説明を加えて理解度を深めます。
そのあとドリル練習で何度も口に出していただきます。
次のレッスンで復習と応用をしていきます。
またCDも付属しており、日本語、少し間が開いて英語が読まれますので、日本語に続いてすぐに英語を言って、答えを聞いて再度リピートしてもらっています。
最初のうちは単語レベルで英作していた場合も、練習を重ねるうちに数語の塊りで英語が出せるようになってきます。
まとめ
口からなかなか英語が出てこない、英語の即答力をつけたい方にとても良い教材です。
話すために文法を押さえたい方に(絶対におすすめ)
「マーフィーのケンブリッジ英文法(初級編) (Basic Grammar in Use) 」
Raymond Murphy 他 (著) Cambridge University Press; 3版 (2016/10/1)
おすすめする理由
英語は話したいけれど、学生時代のように文法を勉強するのは嫌と思っておられる方も少なくないかと思います。
でも効率よく英語力を伸ばしたいのであれば、核となる文法を無視することはできません。
それなら楽しく文法を学べば苦になりませんよね。
「マーフィーのケンブリッジ英文法」はとてもよくできていて、実際の場面で使えるように説明や問題設定がされています。
多くの先生がこの教材を推薦しています。
現在進行形だと「現在進行形」「現在進行形の疑問文」「現在進行形と現在形」と3つのユニットでカバーして、しっかりと身に着くように構成されています。
未来形でも、will, be going to do, be doingでどのように使い分けるかもしっかり説明してくれているんので状況により使い分けられる力が着きます。
また問題文でも普段よく使うような英文がたくさん取り上げられているので、問題を解いた後で口頭練習をするのにもピッタリな教材です。
問題数もほどよい量ですので、それほど時間もかからず負担にならないと思います。
使い方
1ユニットは見開き2ページで、1ページ目に文法の説明、2ページ目に練習問題ということ構成になっています。
使い方は、しっかりと文法の説明をまず読む。
できれば声に出して読むと効果的です。
そして、練習問題へ。
巻末の解答で答えをチェック。
それで終わるのではなく、使える言い回しがたくさんありますので、口頭練習もお忘れなく。
問題を解いた後なので、1文全部を空で言うのもそれほど大変ではありません。
この教材もかなりレッスンで使っています。
あいまいだったり、勘違いしていた文法事項の確認にもすごく役立ちます。
まとめ
文法を勉強したくないと思っておられる方。
騙されたと思って一度本屋さんでパラパラと目を通してみてください。
文法のイメージが変わるはずです。